「そんなファンタスティックなことがあってたまるかアアアッッ!おまわりさーーーーーーん!!!」




俺は身を翻し、走って逃げた




「待ちやがれこの糞ガキ!」



ヒィィィィィ




町人が悲鳴をあげながら逃げていく






てか、何で俺追いかけられてんの!?その原因は一体何!?






人生初めての集団追いかけっこが女とじゃなくておじさんになるとは…





割と人生立ち直れないかも





そんな事を思い怒声や悲鳴を浴びて数分、橋元まで逃げたと思えば、前からおじさん方が来て前後に囲まれてしまう




「げっ…やべ」






人生で2度目の死に際に立っている俺






「へっへっへ…黙って斬られるかい?」








俺は背後から迫ってきたイカツイおじいさんの中の1人のポッチャリジジイから刀を持って奪い取りそのまま川へ突き落とした




ズシっとした重さが俺の手に馴染む







「やだね、て言ったら…どーする?」






剣道やったことないけど、やってみるしか…!







映画の撮影でも何でもないらしいし、このままだと殺されてしまう







"生きなければ"








「オラァァッ!」








力強く振り下ろしてきた一撃をかわし、重心であろう横腹を思いっきり殴りよろけたところを、ポッチャリジジイと同じように川へ突き落とした






…っ殺したくないから、できるだけ斬るのは避けないと!







幾ら何でも、命を奪うことには抵抗はある







「くそっ舐めやがって!」






「…っ!」






刀と刀がぶつかり合う音が橋中に響き渡る







「残念ながら俺はオランダ人じゃないのよ」







ガキンッと弾き返しそのまま懐へ潜り込み肘打ちし、ドッと鈍い音が聞こえた






「グハァッ!?」






「…ほっといてくれよ、まったく」







次々と襲いかかってくるおじいさん達を上手くかわし、刃がない背の方で斬ったあと反撃されないよう川へ落とした






「「「…!?」」」







やっと扱いがわかった







俺はギュッと刀を握りしめ、刃先をリーダー格のおじさんに向けた