江戸の虎が溺愛する者




のれんをくぐると、そこには沢山の人が腰をかけていて賑わっていた





団子が美味しいって噂だもんなここ





だが、沖田さんの目的は団子ではないらしい




「いらっしゃ…裕斗?」




接客していたハルが深々とお辞儀をしたが、入ってきた客が俺だということに気が付いた





昔と違って、正直あまり会いたくなかった





人を殺めた"鬼"だと思われたくなかった




「醤油団子で」





沖田さんはスマイルで注文した





…団子が目的だったんかい!





何かもっと…っあ、もう良いや




「あ、はい!ただいま!」




ハルはそう言い台所へと行き、沖田さんは奥の方へ歩いて行き畳みに座っている3人の男の隣の、空いている席へドッカリと座った




「おやおや偶然ですね〜、攘夷志士と会えるなんて…公務だったら今頃斬り殺していましたよ」





攘夷志士…?この男達が?




俺は畳みに座らず下駄を脱ぎ、畳みへと上がる前に足を踏むところ…木板の上に座った





「…沖田か」




口を開いたのは、青色の着物を右肩だけ脱げている状態で中には袖が肩までの黒いものを着ており、黒く真っ直ぐ伸びた短髪の男で顔も整っておりどこか土方さんとは違った大人の魅力を感じた