江戸の虎が溺愛する者





「天誅も何か動きがあると聞きました」





「それは本当か、山崎?」





近藤さんは驚いた様子で聞いた





「はい。吉村虎太郎が、戊辰戦争で生き延びた元天誅組の者を集めて大和(奈良)で巣食っているそうです」





天誅組って何!?初耳だ…




「天誅組より、高杉 晋作や桂 小五郎…坂本龍馬を危険視するべきだ。ほっといたらやっかいだぞ」




「今回ばかり、土方さんの言う通りだと思いまっせ」




珍しく沖田さんが賛成した






俺は冷静を装っていたが内心混乱していた





今日本で一体何が起きてるんだ…





これもタイムスリップによる時空の歪みが原因なのか?




すると、ようやく斎藤さんが口を開いた





「やつら(攘夷志士)は倒幕に邪魔だろう俺達の命を狙ってきてもおかしくない」





その通りだ、と近藤さんは続けて





「いつ襲いかかってくるかわからない…身の回りの事に気を付け、公務に励んでくれ」





みんな一斉に頷き、俺も遅れながらも頷いた





こうなるんだったら真剣に勉強しときゃよかったな…




今更もう遅いけど