江戸の虎が溺愛する者



んー、眠れない



現代の時間で言うと…9時くらいか。布団に入ったものの、なかなか寝付けずにいた





ふと、例の桜の木について思い出した





タイムスリップする前は初夏の6月後半で…満開だった桜





今、ここでの季節は弥生の春…三月だ






三ヶ月の差があるなんてな…





考えれば考えるほど難しくなっていく謎





この前、最後にハルにあった日に言われた事を思い出した




「新撰組って本当は京都にあるのよ」





………だが、ここは江戸





どうやらタイムスリップの影響で場所も大きく変わってしまったようだ





多分、攘夷派が革命起こして幕府を倒さない限り明治時代はこない。そんな気がした





まるで歴史の時が、江戸時代から動かないようだった





「…だああああ、もうめんどくせー」





俺は起き上がり着替えて、屯所から出た





………




「改めて見ると、でっかい木だな〜」




俺がタイムスリップして目覚めた所…例の桜の木を見に来ていた





月夜に照らされる桜の木は神秘的に見えた





…俺、桜好きだな




綺麗だしピンクだし、朝夜見ても飽きないし





舞い散る桜が風に乗って飛んでいく