「な、何なんだあいつ!?沖田総司と同じ実力者がいるなんて聞いてねーぞ…!」




ビビった浪士は娘を引っ張ってその場を離れようと歩き始めた





「やめて!!!」




娘は必死に抵抗したが、浪士には敵わない





「雪ー!」





叫んだ女将の目線の先には浪士と、雪と呼ばれた娘





俺は相手をしていた浪士を吹き飛ばし、大きく跳躍した




浪士の頭上を飛び越え、目の前に着陸





「逃がしはしねーよ、お兄さん?」




「チッ、殺してやる…!」




「きゃっ…!」




浪士に横に突き飛ばされた雪は転んでしまい、顔を歪ませた




「舐めた真似をしやがって…!」




刀を抜き、斬り裂こうと迫ってきた





「舐めた真似?そりゃこっちの台詞だ」




頭の中で何かが切れた




俺は刀筋を避け、浪士の顔を真正面から思いっきり殴った





「ガッ…ッ!?」




「引っ張ったり突き飛ばしたり、お前は彼女持ちのナルシスト兼自己中彼氏かよふざけんな」





そのまま浪士の顔に回し蹴りを喰らわせ、吹き飛ばした




ドシャンッガタガタガタッと長屋の入り口を突き破っていった




「女は男の宝だろ。大切にしろよ」