江戸の虎が溺愛する者



「土方さん、僕頭痛いんですけど」





ムスゥっとしている沖田さんはどこか可愛かった




「知るか。朝礼で寝るのが悪い…自業自得だ」





寝ているやつにハリセンするか…?




「虎吉、少し後ろに下がれ」




「え?」



俺は近藤さんに腕を引っ張られ、後ろへさがった




なんとなーく、嫌な予感がする




「だからってハリセンはないでしょーがめっっっっちゃ痛いんですけど!?禿げたらどーしてくれるんですかっ」



沖田さんは土方さんに飛びかかり、押し倒した




「お前の禿げなんぞしるか!てか押し倒すのやめろ気持ち悪いこの野郎!!!」




ギャンギャンッと暴れながら喧嘩する2人を愉快そうに見つめる近藤さんは、2人の父親に見えた




後ろにさがれ、てこういうことなのね…





禿げについて殴りながら喧嘩する2人はどこぞのバカ高校生に見えた




「…局長、あの2人とめてくださいよ」





いつか床に穴が空きそうだ




いや、あの2人なら床に穴が空いてもそのまま地面を掘り進んでいきそう




「そのうち相討ちになって力尽きるから大丈夫だ。放っておけ」