江戸の虎が溺愛する者




これが…新撰組の羽織か!




沖田さんの殺気が土方さんにいっているのを余所目に、近藤さんの手に持っている羽織は浅葱色で袖口には白く山形のだんだら染めが施されていた





あまり良いもんじゃないがな、と隣にやってきた土方さんは嫌そうにそれを見た





そうか?俺からしたらカッコよく見えるけど…





あーあれかな、江戸っ子と現代っ子の捉え方が違うのかな






それより沖田さんの今でも飛びつこうとしている殺気に気が付いてください。土方さん




「今日から総司の下で仕事をして貰う…覚悟はできているか?」




せっかく沖田さんのもとで仕事できるんだ…




とても不安だがな





「もちろんです」




俺の返答に満足したのか、近藤さんはニカァッと笑ってくれた




お人好しだよな、この人




こんな俺にまで微笑んでくれるなんて





くすぐったい気持ちに駆られたが、俺は羽織と鉢巻を手に取った