江戸の虎が溺愛する者


「よし、全員集まったそうだな」




近藤さんの声が、ざわめいていた空気を制した




げ、始まっちまったよ…




いきなり静かになったため、沖田さんの寝息が聞こえるのではないかとヒヤヒヤした





「……で、今日は……三番隊は…川付近を…」





頼むからこっち見るなよ、見ないでくれよ!





しかし、俺の願いはあっさりとぶち壊された




「そして本日より、虎吉を本格的に活動させる。及び、一番隊に所属することを命じる」



………



え?一番隊?あの特攻隊みたいにとてもアクティビティな?




てか、一番隊っていったら沖田さんのところじゃないか!?




すると全員が俺の方へ向いた




、と思ったら俺の隣で寝ている悪魔…沖田さんへと移り変わった





あ、…しまった




土方さんの目が人を殺す目になった




すぴー…すぴー…




寝息の音は俺の耳を痛くした




土方さんはどこから出したのか、ハリセンを右手に所持していた




あれ…この時代にハリセンなんてあったけか?




狙いはスヤスヤと眠る悪魔




「…もう二度と起きないようにしてやるこの馬鹿野郎」




スパァァァンッ…!




凄まじい音とともに、沖田さんの頭にハリセンが振り落とされた




起こしてあげればよかったのだろうか…