江戸の虎が溺愛する者



「あんたはここに来て一週間ぐらいになる…基礎から始めた剣道も、今じゃ誰も敵わないぐらい上達しましたね?…あの日から、急激に」



俺は沖田さんに、見透かされてるような感じがした




…わかってるのか、俺の焦りが




「何と戦ってるんですかい、あんたは」




俺は…





守りたい。守りたいだけなんだ、ハルを





唯々愛しいハルを、守りたい






この人達を、守りたい






ただ、何かが俺の心に引っかかった





守りたいだけじゃない。そんな気がしてモヤモヤが晴れない




そういや、バスケでもそうだったな





俺は上手くなるために練習しているのか?て




何で上手くなりたいんだどうして勝ちたいんだ?て自問を繰り返す日々があったけな





デジャブだな…




俺はそんな日々を思い出し、内心で嘲笑った