江戸の虎が溺愛する者



「何でっ無理するのよ!盗賊達とやりあう、なんてっ危ないこと…っしないでよ…っ」




あー見られてたのか




「仕方ないだろ、殺されそうになったんだから」




鼻頭はハルの匂いにくすぐられてムズムズした



「だって…」



しぼんでいく声に、俺はどうしようもなかった



困ったな…最終手段でいくか



俺はハルを引き剥がし頬に両手を添えて顔を固定し、顔と顔の距離を縮めた



そして、流れる涙を舌で舐めとった



「…っ!?ちょ、なに…ひゃあ」



嫌がるものの、"拒んでこない"



溢れでてくる涙をどう拭いてやればいいのかわからない



せめて、俺ですくい取ってあげたい



しょっぱい涙を夢中で舐め続けていたら、ハル身じろぐだけで離れようとせず顔を真っ赤にした



「…しょっぱい」



「…っだったらやめてよ」



俺は抱き締め足りなくて、ハルを両腕で抱きしめた



「…寂しかった?」



なーんて、ないか



昔っからの付き合いだしこいつに寂しいという感情なんて…



「…(コクンッ)」



まじか。