「なんだなんだなんだ?定期の勉強するな!ていう神様からのお告げかな?帰ったらすぐに寝よう」




「何この雷中でそんな事を言ってるんですか!あとやる気の無さを神様のせいにしないでください!」




俺は学ランの上を杉原の頭に被せ、手を引き走り始めた




ピカァッゴロゴロゴロ…!




「くっそなんだよ急に…」






さっきまで晴れていたのにー!







公園の前を走り去るそのとき、おかしなことに気が付いた






思わず俺は走る足を止めてしまった





「裕斗先輩!?」






「なあ…何で桜が咲いているんだ?」






それは綺麗に、正真正銘の桜の木だった







雨風や雷の暴れように負けず悠々しく咲いていた







「桜の…木?」







杉原も異変に気が付いたようだ







なぜ、初夏の時期に桜が咲いて………







そう思った瞬間、周りが白く光ったとともに雷が近くに落ちた






俺は嫌な予感がし、杉原を遠くへ突き飛ばす







「きゃっ!裕斗先輩!?」







ピカァゴロゴロゴロッッ!!!







先程、杉原がいたところに落雷し冷や汗がかいた







くそっ近くに落雷しやがった!








すると目の前の視界がぐらりと歪んだ







「あ…れ?」







痛みこそは感じなかったものの、体が制御が失ったかのように地面へ倒れた






あ、俺もしかして落雷にあたった…?






死ぬ、のか







俺の視界は白い霧なようなものに包まれ、やがて意識を手放しかける







「裕斗…?裕斗!!!」






はは、変なの








なぜか…傍にはいなかったはずのハルの声が聞こえた








俺は眠たさを受け入れ、意識を手放した