江戸の虎が溺愛する者



「その子も当時、タイムスリップとやらへいせいやら難しい言葉を言っていたらしい」


平成…?俺と同じ時代か



「タイムスリップした状況が虎吉、お前と一緒なんさ」



沖田さんの言葉に、俺は驚きを隠せなかった




「そ、その子の名前は…?」



土方さんは思い出すように、下を向いた



「"ハル"、という女らしいぞ」




ドクンッ




俺の心臓は醜い音を立てた




もしかしたら…




「土方さん、沖田さん…!」




会いに行きたい、今すぐに!




「…行ってこい。気をつけてな」



「ありがとうございます!!!」



羽織を羽織った後素早く廊下を走り、門を飛び出して団子屋へと向かった





「やっぱ関係性があったんですねぇ…」




沖田はゴクンッとお茶を飲んだ



「…………。」



土方は団子屋の看板娘…ハルを思い出した



可愛らしい、女だったな。と