屯所へ戻ると、辺りはすっかり暗くなり冷たい風が頬を掠めた
長い廊下を歩き自分の部屋へ向かった
「お前が虎吉か」
ん?
前から歩いてきた人物に、俺は気づかなかった
誰だっけ?
暗くて顔がよく見えない
「山崎 焏だ。よろしくな」
月光の光が山崎 焏の顔を照らし、良く表情見えるようになった
くそっここはイケメンの集まりか!?平成でいうどっかのイケメンアイドルグループか!?
「よ、よろしく」
ええい、俺だって顔立ちはまだマシな方だからな!?
「明日、集いの間で朝礼があるから忘れずに来いよ」
「わかりました」
じゃあな、と俺の隣をすれ違い歩いて行ってしまった
わざわざそれを言いにここまで来てくれたのか?親切な人だな…
てか、新撰組って外見も中身もイケメンばっかじゃね!?
俺良いのかなーこんなところにいていいのかなー
余計足取りが重くなり、再び自分の部屋へと足を運んだ
……
しゃあ!少しは先輩らしく振舞ってみたけど、どうだったかな
山崎焏は後輩ができたことに喜び、ステップを踏んで廊下を歩いた
「フフーンフッフングフッ!?」
「おめぇ…掃除サボってどこをほつきまわってやがった?」
頭をガシッと掴まれ、手から殺気を感じ取った
このド殺気は副長しか出せない
「ふっ、副長お…?」
「さっさと掃除に戻りやがれぇえええええええ!」
「ギィイイヤァアァアアア!!!……」

