袴はどこかブカブカだったが動き易さは抜群だった




「うん、それだったら目立たねーな」




土方さんが穴空くぐらい俺を見つめた




男でもイケメンに見つめられたら恥ずかしい、ということがよくわかった




「おばちゃんこれ譲って頂けませんか?」




沖田さんは甘えるように店主におねだりをした





「仕方ないね、今回だけだよ」




、とあっさりOK。恐るべしニセ爽やか悪魔系イケメン






「あいつ、人を手に取るの上手いんだよ…」






と、耳打ちで声掛けてきた土方さんはつまらさそうに言った







「まあ、あの外見からして歳上から好かれそうですよね…」






沖田さんは何ていうか、母性本能がくすぐられる部分がある(らしい)







それで江戸っ子の歳上から人気があるそうな






「んじゃ、今回は特別におまけもつけちゃおうかしら」







すると店主は、後ろから黒に鷹の絵柄がついた羽織を取り出しそれを俺の肩にかけた







「それもあげちゃうわっ貰い手がいないと可哀想なんだもの、ボロボロになるまで着こなしてね?」







「…っありがとうございます」






嬉しくて、何とも言えない






「んじゃ、行きますか〜」






そそくさと土方さんと沖田さんは店を出てしまい、俺はそのあとを追いかけた