「あーじゃあそれ僕の背中に引っ付いてるやつに着させてあげてくれますか?」





あ…俺?





沖田さんはキョトンとした俺に、呆れたような溜息をついた






「あんたの袴を貰いに来たんですよ。そんな格好じゃ、襲われて殺されるのがオチだ」






昨晩の出来事を思い出す







正直、もはや俺の中ではトラウマ化している






てか、全然お互いのことを知らない俺の為に…?





心の中から何か、温かい気持ちが溢れるようなそんな感覚に俺は全身を支配された





「ありがとうございます…!」




「礼はいいから離してください虎野郎」






人から何かを貰うって久しぶりな気がした






部活道具や筆記用具はいつも自分のお小遣いで買ってたっけな…







沖田さんを解放し、土方さんが殺されないのを確認して、店主の方へ歩いた








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「お前が人に優しくするとか、よっぽど虎吉が気に入ったか?」





土方の言葉に沖田は虎吉が歩いて行った店の奥の方を見つめた





「…わからないですけど、あいつ悪いやつじゃないですぜ。馬鹿でどーしょうもないですけど」






"守るために人を斬った"虎吉を思い出す






「………………総司、お前」








素人に人を斬らせたのを後悔しているのか?






まさか。と沖田さんは笑う







「あいつ(虎吉)はもう立派な新撰組です。心配は無用ですよ、土方さん?」