そうか、と言って倒れている男に視線を移した





「裕斗が僕を守ってくれたんですよー」







土方さんは眉間にシワを寄せた





「…たく、無茶させんじゃねーよ」







ふふっと沖田さんは笑い俺に肩を回した






「新撰組に入るからには…ねえ?」






あれ?何かもう俺、加入決定されてる?






「まあ、無事で何よりだ…ボロボロだけどな」





そう言い、土方さんの大きい手が俺の頭をクシャッと撫でた






何とも言い難い気持ちになったのは秘密だ






でも、何年ぶりだろうか…人に頭を撫でてもらったのは






緊張が解け安心したのか、眠気が襲ってきた





「ほら、一緒に帰るぞ…きっと近藤さんも心配してるさ」






沖田さんと土方さんはスタスタと歩き始める






「俺も、ですか…?」





あんな漫画みたいなことを言った挙句、走り去ってしまったのだから何となーく帰りづらい…





2人は振り向いて、俺を見た






「当たり前だろ。屯所に戻ったら飯だ飯」






まるで、家に帰る感覚…





俺は2人の元へ歩く






「そうだ裕斗。あんたこれからは"虎吉"と名乗ってください」






「…へ!?」






何を急に…






「おい総司…何なんだ急n「土方さんは黙っててくださいよー」






最後まで言わせず、沖田さんは俺の顔を覗き込む






「元の時代について引きずられても困るんで…心機一転して命名です」





「……裕斗がいいです」





にしても、何で虎なんだよ






「ま、良いんじゃねーの?虎吉」







あ、もうなんか定着しちゃったよ







「これからも、"守ってくださいね?"」






ニコリと笑う悪魔な爽やか系男子…






こりゃまた人を斬らなくちゃならない時がくるのかな





でも、探しにきて…助けに来てくれたこの2人を俺は






「わかりました、お世話になります」






信じてもいいような、気がした





いや、信じよう





そんな2人の後に着いて行き、屯所へと向かった