江戸の虎が溺愛する者






すると、そんな心の葛藤を知らず店長はニヤニヤと俺を見た










「女にあげるんか?」









「ちっ違っ…そんなんじゃねーよ」










でも髪飾りに夢中してる時点でバレバレだよな…











そう思うと恥ずかしい











穴があったら入りたい!











「あら、虎吉様じゃない」









「本当!?やだ、お目にかかりて嬉しいです」










「今日も格好良いです!」












すると、3人の女が俺に絡んできた











「ありがとう」










そう微笑み、その場から離れようとしたが両腕をガッチリ掴まれてしまい腕に女たちの華奢な腕が絡みついた










「よかったら私達とお茶しません?」









「折角ですからお団子も食べましょう?」











「それとも…」










1人の女が顔を近付ける










その人は3人のうち一番綺麗で、小顔なのに大人びているその雰囲気はセクシーだった









髪型は島田髷(しまだまげ)だから未婚の女性だろう








なんか…俺、この人苦手かも








どんな男にも色仕掛けしそうな女の人は誰だって苦手か







しかし、そのモデル体型に水色の華やかな振袖はとても似合っていた











「近くにとっても、良い茶屋があるんです…一緒に参りましょ?」