江戸の虎が溺愛する者




道場で鍛錬した後、非番の俺は宛て先なくぶらぶらと江戸の町を歩いていた










「そう言えば俺、お店とか全く回ったことないよな…」










とか言ってあまり興味ないんだよなー











市中の真ん中を歩きながら考える












たくさんの人が行き交じるここには、八百屋やら着物屋やら、目の端には女の子が喜びそうな小物を売っているお店がある












まあわざわざ足を運ぶまででもないよな〜













俺は再び頭を悩ます










「…ん?」











俺はある雑貨店に足を動かす












何とか人と人の間を通り抜き、たどり着いた先にはガラス製の髪飾りが沢山店の前で並べられていた