江戸の虎が溺愛する者





「…んんっ!?」











出来事に驚く雪










次第に目を閉じ、俺の口づけを受け入れる












「なっ!?」












男は驚愕してピタリッと止まる













そんなことを気にしている俺は内心、あまり余裕がなかった












雪の唇、柔らかくて…気持ちがいい












わざとリップ音を出して、離す…が物足りず再びキスを落とす











ちゅうっと吸い付き、下唇を軽く噛むと雪の体はビクッと反応し、俺の羽織にしがみつく












「…っ」












そんな可愛い仕草に思わず胸が高まる













くそっ止めるはずだったのに











俺は堪えることができず両腕で雪を抱きしめ、さらにキスする角度を変えながら……













「んんっ…はぁ……………」











雪の唇から甘い吐息が溢れる














顔を真っ赤にしてすがるように俺を見つめる雪は酷く妖艶に見え、顔を背けることができなかった














「…雪の唇、癖になりそう」











「んあっ…」











焦らすように唇から離れると、びっくりするほど色気のある声を出された












やべえ…理性が飛びそう













腰が抜けたのか、雪はヨタヨタと俺の胸板に顔を埋め体重を預けてきた













「…おーい、生きてるか?」













そっと両腕に力を入れて抱きしめる













「…そんなわけないじゃないですか」













フルフルッと頭を横に振られる












ごめん、と俺は呟いた













謝るぐらいならやるな…って話だよな












もしここに沖田さんいたらぶっ殺されてただろうな…