江戸の虎が溺愛する者







「じゃ、じゃあ!お前と雪ちゃんはどういう関係なんだよ!」












男の虚しい叫び声が耳をつんざく












現代にもいたわ、人の関係にうるさいやつ














お前は女子高生かよ












はぁ…と溜息をつき、後ろに隠した雪を隣に引き寄せた









「虎吉、様?」











不思議そうに俺の顔を見つめる雪の瞳には俺の顔が写っていた












俺だけを、見ている雪












申し訳ないが、あーいう馬鹿男には見せつけないとわからない












俺は雪を逃さないよう、腰に腕を回す











「…っ!?」










雪がわずかに身体が硬直したのがわかる













ほんっと、素直なやつだな…












「何?俺とくっつけてそんなに嬉しい?」












軽くからかうと、雪は顔を真っ赤にした












「ち、違います!そんなことありません!」













悪かったって、と言いながら赤く染まった頰に指を這わせる










「んんっ…」











雪の小さい唇から声が漏れる











あーやばい、これはやばい













そんな声出されるとか全然予期してねーよ…












「おい!!!僕を無視するな!」











男は怒りに震えながら俺に指差す












そりゃすまなかった、と口の端をあげながら笑う












「俺と雪はこーいう関係」











俺は雪に視線を移す










「…雪、許せ」











小さい声で呟く












「えっ…」










俺は顔を近づける、そして優しく__________________













雪のプクッと膨らんだ唇に、自分の唇を重ねた