低く深く、その声は響いた
「俺達新撰組と志しを共にしろ」
「………はい?」
思わず変な声が出てしまった
何言ってんだこの人は?
沖田さんは溜息をつき、補足を加えてくれた
「つまり、僕達と一緒にお役目に就きましょうってことですよ」
え、え、え、
なんですって!?
てことは、ここにしばらく居候としていても良いということなのだろうけれど…
新撰組のお役目って、現代に言う警察官みたいなもんだろ?
「具体的に、お役目ってのは一体…?」
料理とか掃除ならいける。うん
すると、黙っていた土方さんが話す
「江戸の…市中の見廻りだ。場合によっては討ち入りはするぞ」
…思い出した
ドラマとかでたまーにやるだろ?新撰組をテーマにしたやつを
ほら、刀を持って振り回すあれだよあれ
人を斬るお仕事
そんなんできるかーーーーー!!!!!!
「俺に人殺しをしろと…!?」
いくら危ない時代だからって、そんなことできるわけない!!!!
「人聞き悪いですよ〜、平和を乱す悪者を倒すだけ…簡単です」
不適な笑みを浮かべる沖田さんに鳥肌がたった
生きてる時代が違うだけで、こんなにも価値観が違うのか!?
寝る場所を確保するのに持ってこいの案かもしれないがデメリットが大きすぎだ!
…今思えば俺、危ない人達についてきてしまったんじゃないか?
よく見ればこの人達、腰に刀差してるし先程の盗賊と状況が違い逃げ回る場所がない
くそ!小さい頃に知らない人について行くなってママから教わったじゃないか!!!!

