江戸の虎が溺愛する者






「どうしました?」









沖田さんは少し驚いた様子で首を傾げる











「…いえ、何でもないです」











俺が、平和を実現させる











この決意を胸の中にしまう











すると、頭上からはぁーっと盛大な溜息がきこえた













「ど、どうしました?」













思わず驚いて顔を見上げる














俺、なんかおかしなことした?













「…失恋のことで悩んでいるのかと思えば全く違うことに悩んでるんですもん、あんた」












ムクッとした沖田さんの顔はこれ以上なく可愛くて女だったらイチコロだったたろう











「もしかして…俺とハルのこと気にしてました?」










「多少は」












あああああ、と頭を抱え込む














まあ、俺の恋心はバレていても不思議じゃないだがしかし失恋のことをバレたらもう…














「穴の中に入りたい…」














俺のプライドはズタズタだ












「奪い取ればいいじゃないですか?土方さんから」












「はい!?」













仮にも上司の女だっていうのに何ていうことを言うんだこの人!?














「しませんよ、そんなこと」










「なぜです?」












俺は縁から立ち上がる