「骨でも折れたら大変ですから良い加減にしてくださいよ…」
骨折どころかこの人達の場合、複雑骨折だな
「悪い顔ってなんですかい!可愛い可愛い上司思いの顔ですよ!?」
「可愛い可愛い上司思いなら斬りつけたり殴ったり噛み付いたりしてくんな!」
またギャンギャンと騒ぎ始める
あーもー。
兄弟喧嘩みたいだがそんな可愛いレベルじゃないからな〜、この人達の喧嘩は
「てか、何で外に出ていたんですか?」
喧嘩するならきっと外だろうが、喧嘩中に包帯やらなんやらわざわざ外で傷の手当てをするだろうか?
「そりゃ、虎吉の帰りを待っていたんですよ?」
ええっ!?とデカイ声が屯所に響く
何で俺を待ってたの!?
「…まあ、あれだ。まだここ(江戸時代)に来て日が浅いだろ?迷子になってねーかな…って」
土方さんが照れ臭そうに言う
何だ…わざわざ心配してくれたんだ
俺は先程のモヤモヤ感が薄くなり心の淀みがなくなっていくのを感じた
「そうなんですか….すみません、ご心配かけて」
そしてありがとうございます
そう言うと、2人は同時に微笑む
さっきまであんなに騒いでたのに、なんだかな
まあ、…いっか!
「それより土方さん、ハルのこと…頼みます」
俺何言ってんだろう
馬鹿だ、俺
でも負けを認めることで心が軽くなることだってある
自分から"お祝い"の言葉を述べることで、醜くて汚い淀んでいる心を捨てれる気がしたんだ
「…おう」
土方さんの返事はたくましかった
「さーてと」
沖田さんがいきなり俺の肩に腕を回す
「実は食堂にほかほかの炊きたてごはんがまだ残っているんですよ虎吉ぃ…」
ニヤリと沖田さんの口の橋が上がる
もちろん、この人が言いたいことは何となくわかる

