江戸の虎が溺愛する者





悔しくて、悲しい






ハルと過ごした時間は俺よりも短いはずなのに







「馬鹿かよ俺…、負けは負けだろ」







ネチネチと考える自分に嫌気がさし、転がっていた石ころを軽く蹴る








コンッコンッココンッ







それは音をたて、転がっていく







形はあるのに中身は何もない、空っぽの石ころ








土方さん…








憎めない、憎めるわけがない








この複雑な当てどころのない気持ちをどこにやれば良いのかわかんねーよ!







俺は同じ石ころを強く蹴った









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やっと着いた屯所の門をくぐると、そこには…








「お帰りー」「お帰りなさいー」






「ただいま…って、沖田さん土方さんお二人ともなぜ怪我だらけなんですか?」








ボロボロの男2人が突っ立っていた






包帯やら隠しきれていない引っ掻き傷やら絆創膏やら…大変なことになっている







「僕は純粋に土方さんを祝おうと思ってみんなに知らせようとしたら邪魔してきたんですよ」







それだけで攻撃されたの!?






「何が"祝おう"だ?明らかに悪い顔してただろーが」







土方さん、それはいつもの顔です






俺ははぁ…とため息をつく