俺は未来からやって来たこと、来る前の土砂降りや雷に巻き込まれたことそして今、迷子であることを話した
「なるほど…その雷によってじくう(時空)というものが歪み、たいむすりっぷしてきたと?」
「悪魔でも憶測ですけどね」
俺は淹れられたばかりの茶を飲み干した
…っこんな美味しいお茶初めてだ
麦茶しか飲めなかった俺が他の茶を飲み干せるのは、今回が初めて
そんな様子に土方さんが気付いたのか、「お茶を美味しそうに飲む奴だな」と笑った
「犬みたいなやつですね。可愛がってやりましょ」
ほれほれ〜、と沖田さんは犬を呼び寄せるように俺の前に両手を広げた
え…俺、ペット扱いされてる…?イケメンに?
俺は何とも言えない気持ちになった。複雑…
「やめとけ馬鹿野郎」
「ま、僕はその"桜の木"が気になりますねぇ」
桜の木…
タイムスリップする前、杉原と見た桜
初夏に桜が満開なのはおかしいが、あんな土砂降りのなかあそこだけが時間が止まっているように見えたのも違和感があった
原因はそこにありそうだな…
俺はそう、直感で感じた

