江戸の虎が溺愛する者




沖田さんと俺は歩く足を止め、想像を膨らませていた





「まあ"考えるより行動せよ"、ですね」






沖田さんは思考するのをやめ、襖に両手をかけ思いっきり開ける







「ちょ!?覗き見するとか穏やかな過ごし方(でもないけど割と人聞き悪いけど)するとか無いんですかあなたは!?」







この人の重いっきった行動に思わずあんぐりしてしまう








いや、覗き見も相当悪だけどよ…







「…何してんだこら」







奥から聞こえたのはかなりご機嫌斜めの土方さんの声








「すみません、土方さん。手が滑ってしまって…」









「沖田さん、滑ったところか滑り過ぎです。もう色々手遅れです」






そう言い、部屋を見た矢先に____________________________
















「こ、こんばんは」










ハルが、いた










ど う し て







「おい総司、てめえ開ける時は声をかけろ。いやもう2度と来るな」






ドス黒い殺気をかましながら睨みつける







「土方さんが女の客人を部屋に入れるなんて初めてじゃないですかい?…よりによって、団子屋の女の子とは」








わずかに、ハルの身体が強張っていた








どうしてここにいるんだ?







何で土方さん…?







自問が頭の中で何度も繰り返される







土方さんと沖田さんがギャンギャン騒いでいるが、どれも耳の中に入ってこなかった








「土方さんが女ができた、ということで良いんですねい?他の隊士たちに知らせてきますわ」








ニヤリと笑い、素早く何処かへ走り去ってしまう








「あっちょ!総司まてこら!!!!!」








それを止めるために、土方さんまでこの部屋から出て行ってしまった









静粛になった部屋に取り残された俺とハル









俺の心には嬉しい気持ちなんてなかった








いづらい、そんな負の気持ちが俺の心を占めていた