江戸の虎が溺愛する者




次の日…





優しい日差しが町に注ぎ込む中、気怠げな沖田さんを連れて時雨へやってきた







のれんをくぐると、相変わらず人が沢山おり9割は暑苦しい男どもが店内を占領していた







「…僕、お団子屋に行きたいです」






店内の様子を見てげんなりした沖田さんが弱音を吐いた







「ここ定食屋ですから仕方ないですよ。あと団子屋は行きません」







今はハルに会わせる顔が…






入ってきた俺達に気が付いたのか、せっせと働いていた雪がこちらの方へ歩み寄ってきた







「虎吉様、沖田様!いらっしゃいませ」






うっ!





雪の笑顔が眩しい…!






こんにちはーっと気怠げに挨拶する沖田さんは雪の天使度に気付いていない








「忙しい時にごめんな。見廻りついでに寄って来たんだが…」







「虎吉様に会えるだけで私は嬉しいです…!ぜひ一休みして行ってください」





そう言い、小さな手で一回り大きい俺の手を握る






あー十分に癒されました。ご馳走様です







「あれ?僕は?」






雪は沖田さんのことをガン無視






ごめんなさい沖田さん、俺めちゃくちゃ幸せです





「いや、もう俺達は行くよ。仕事の邪魔しちゃ悪いし…また来る」






それを聞いて残念そうに眉をあげる雪はもうなんなんだ。捨てられた子犬か。






「ううっ…わかりました、お勤め頑張ってください!」






そっと握られた手を離し、雪の頭を撫でた







じゃあな、と言い残し俺と沖田さんは時雨を後にした