江戸の虎が溺愛する者





雪の顔を見てもたってもいられず、涙を拭うフリをしてゴシゴシと雪の顔を擦った






「うっ…虎吉様、痛いですよ〜」






「良かったな。小顔になれるぞ」






痛そうに顔を歪める雪を無視して擦り続けた






…まさか、自分がハル以外の女を構うとは思わなかった






人生何があるかわかんねーな




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夜、見廻りで沖田さんと一緒に時雨へ向かった






辺りは真っ暗で提灯無しで行動するのは難しい






「なるほど、その雪っていう女に追っかけ人がいるんですね。恋文なんて、男らしくないですね〜」






沖田さんは詰まらなさそうに欠伸をした





でっけー欠伸だな…





店はまだ明かりが点いている





この時代の人の基本就寝時間は知らないが、雪は働き者だな…






何だかんだ、俺と一歳しか違わない






それで女将さんと2人っきりで食事処で働いてるそうな






「沖田さんは今まで好きな人にアピールしたことないんですか?」







や、流石にないか…あの沖田総司だぞ?人の髪の毛を雑草呼ばわりして引っこ抜こうとするお茶目系男子だぞ?







「あぴーる?ってなんですかい?」





あ、つい現代語を…






「アピールって、相手に自分を見せることですよ。俺は凄いぞ〜って。」






「へ〜…まあ、僕は想い人なんていませんでしたよ」






ですよねーーーーーー





すると、ふと沖田さんの無表情が変わり…






「強いて言うなら…母ですね」






何だこの悪魔可愛い!!!!!!!!





まさかのマザコン!?え!?イメージめちゃくちゃ変わったんですけども!?!?!?





「…沖田さん、顔赤いですよ」






自分でママが好きとか言っといて顔を赤くする沖田さんはもう可愛いとしか言いようがない





相変わらずの鋭い睨みも顔を赤くしてたら効果無しだ