ー「はい。」
ー「お疲れ様でした。川上です。すいません、電話。」
ー「あ、いや、こっちこそ……ごめんね。」
電話越しに聞こえる雑音。
あ、家じゃなさそう。
先程の不安が押し寄せる。
ー「まだ、外かな。忙しいよね、ごめん。」
ー「広瀬さん。バイト終わりました?」
私の質問をさりげなくスルー。
ー「あ、うん。」
ー「今もう駅ですか?」
ー「いや、えっと……公園?この前きた。」
少しだけ間が置かれて
ー「なんで?」
ー「あ、いや、散歩?」
また少しだけ間ができる。
ー「1人で、ですか?」
ー「あ、うん…。」
ー「危ないですよ。」
ー「はは。大丈夫だよ。皆心配性だね。でもまだ9時だし、野球の練習?やってるから明るいよ」
ー「……。皆って?1人じゃないんですか?」
あ、ばか。
なんですぐ余計な事喋ちゃうのかな。
ー「あーっと。今は1人です。」
ー「……。」
無言が怖い。
ー「えっと、ごめんね。
川上くん試験まだ終わってないんだよね。
いや、なんか、ここ来たら、
ご飯思い出して!
美味しかったよね!
愛も久しぶり行きたいって言ってたし、
今度は皆で行く?
あ、成瀬さんも誘う?」
気まづくなると喋りだす、
この性格……。
なんで、
なんで自分の首締めるんだろ。