八月のアークトゥルス。

「あははは!うけるわ、ヒョロヒョロの世界くんが溺れてますって先生にチクってや――――――



うわ!!!!」




バッシャーーーン!!!!



僕の目の前で
クラスメイトが頭からプールへ突っ込んでいった。

水しぶきがすごい。




「あれ?こんなとこで何やってるのかな?先生に言われなかったぁ?今日はプールの授業休みですって。」








うちの学校の制服。
長い髪。


腕を組んで立っている女の子。




「手貸しな」


僕は言われたとおり手を差し伸べる

よいしょ、と僕の体を引き上げて
ベンチに座らせる。


おそらく、いや
確実に。
さっきクラスメイトを突き落としたのはこの子だろう。

「はぁ?誰だよお前。」


「何で、人のこと犯罪者呼ばわりする奴らに、私の名前教えなきゃいけないわけ?」



口調が強く
相手に入り込む隙も与えさせていない。



「たとえ、上手く人と関われないこの子に非があったってね、、人のこと馬鹿にして、傷つけたら、あんたがしたことは一生、許されることじゃないんだからね。もし、このまま苦しんだまま、死んだら、責任とれんの?どうなの?」