「おい、お前また休みかよ」

「ヒョロヒョロだしな!」

「……」
クラスメイトの男子が僕に話しかけてきた。

僕は話をしたくない。
だから話さない。

僕は沈黙を貫いた。





「喋れよ!!!!」

「…っ」


クラスメイトの一人が
ベンチで座る僕を押した。

案の定、僕の体は
ヒョロヒョロで弱っちいから
いともたやすくベンチから転がり落ちた。


痛いな、何するんだよ
もうそんなことさえ口にするのも面倒だった。


「お前の親、死んだんだってな。」


「あれだろ?火事らしい」

「もしかして、コイツが燃やしたんじゃね!?」

「目つき悪いし、やりそうだよな」


「人殺し!」


「人殺し!!」
「こいつ人殺しだぞ!」




僕は何も


真実を知らない。


ただ、僕がヒョロヒョロで情けないだけで

僕は人殺しになんか。。
なったつもりはない。


「人殺しが生きる価値なんてないよな?」


「早く来いよ!!!」


僕は無理やりベンチから立たされ
引っ張りだされて

プールの前まで来た。

今ここに
自分のことを守ってくれる先生はいない。



「お前、カナヅチなんだろ?」

「この歳で泳げねぇとか、笑うわ」


僕は青いプールの水を
ただ、見つめ続ける。