「きっと何かがあったんだと思います。」


その何かは、まだ僕にはわからないけど。

母がもし自殺じゃなかったら。

そんなことを知っても母が死んだことは何変わらない。
だけどやはり不可解な点が多いのは事実だ。

僕は大人の人に「つけたままの火が他に燃え移って、一酸化炭素中毒で命を落とした。逃げられたのに母は動かなかったらしい。だから君のお母さんは自殺をした」と聞かされた。

調べたらきっと
詳しいことがわかる。


自殺をしたのならば

なぜ、母が自殺を選んだのか僕は知りたい。




「ありがとう、校長先生。」


僕はふかふかで心地よかったソファから立ち上がり、校長室を出た。








「前野君、君の息子さんは君にそっくりだよ。いつか、あの時のことも、、あの子に話す時が来るだろう。その時は僕が、君の代わりに目を見て話すさ。」







そんな校長先生の言葉なんて
僕の耳には聴こえなかったけれど。