私の3ヶ月ほど前からここで働き始めている瀬戸くんは、バイト内ではいわゆる先輩とやらで

でも厳密に言えば、私の2歳下である。

ここら辺ではそこそこ偏差値の高い八木原高校の2年生。


初めてバイトに入ったときも、今みたいに彼はペコリと頭を下げて、凛とした声で「瀬戸です。よろしくお願いします」と言った。


ラフな黒髪に、男の子らしいキリッとした二重の瞳。

華奢で、細くって、164センチある私が「おお、」となるくらい身長が高い。


教え方も上手で、トラブルが起こっても動じず冷静なところに関心した覚えがある。


それ以外は普通の、どこにでもいる男子高校生。