「おはようございます」
「おはよう。空野さん。……と、君ははじめまして、ですよね」
柳さんは、駆が部屋に入ってきても特に驚いている様子はなかった。むしろ全く変わらない、穏やかな態度で駆を見つめている。
「俺は宮村駆といいます。陽咲とは幼馴染です。今日は俺も一緒に島を回りたいのですが、よろしいでしょうか!」
「僕は柳慶といいます。僕は大丈夫ですよ。人数は多い方が楽しいですしね。今日はよろしくお願いします」
「おっ芸能人みたいな名前っすね! よろしくお願いします!」
駆は柳さんに向かって勢いよく頭を下げた。駆は柳さんに対してとても礼儀正しくて、その態度を見てほっと胸をなでおろした。ちょっと体育会系っぽいノリだけど。今までのサッカー人生で学んだのかな、なんて思うと少しだけ切なくなる。



