クリア・スカイ

 
「陽咲ちゃん、気持ちは嬉しいけど、ほたるのために自分の人生を犠牲にしないで。楽しいことだけを考えて生きていくべきよ」

「でも、私はほたるの一番の友達だったはずなのに、彼女の悩みに気づくことが出来ませんでした。そして、あの時も目の前にいたのに救うことが出来なくて……。ほたるがこうなったのは、私のせいだと思うから……」

「そんなことは絶対にない。陽咲ちゃんのせいである訳がないわ。こうなったのは全て私のせいよ。……私の日頃の行いが悪かったのよ。だから、陽咲ちゃんは何にも気にしなくていいのよ」


 ほたるが寝たきりになってから、何度同じような会話をしたことだろう。
 私のせいだといい、女将はそれを否定し、女将は女将のせいだという。その度に涙して、励まし合って、また涙する。