彼女の心は、ここにいる誰よりも美しい。ほたるが正しいということは、他の子供達も分かっているようだった。 「……確かにそうだね。ほたるちゃん、ごめんね」 「どうしてほたるに謝るの? 奏ちゃんに謝るべきじゃないの?」 「うん、そうだね。奏ちゃん、ごめん」 ほたるの声に背中を押されるように、子供たちは奏に謝った。奏は誰の顔も見ようとはしなかったけど、一度だけこくりと頷いた。 それからぱったりと奏の噂話は消え、数ヶ月後には、奏はずっとこの島に住んでいたのかのように溶け込んでいた。