「……秋乃は、源の彼女だ。高3に上がってから、別れたみたいだけど……って、なんで源は高3に上がってから秋乃と別れたり、俺と親友を解消するなんて言ったんだ」
「……やっぱり、源先輩は何かを隠しているみたいですね」
大切な親友と彼女に、隠している事が……。
大切じゃなければ、「ごめんな」なんて謝らないし、あんな悲しい気持ちを抱いたりしない。
「蒼大先輩と源先輩がお揃いのイヤーカフを買う所を見ました」
「あぁ、源と出会ってすぐの時だな……」
「このイヤーカフは、親友の証ですよね?源先輩は、このイヤーカフをずっと手で触れては、悲しげな顔をしてました」
「源……俺、やっぱり親友解消されても、源の事、ずっと親友だって思ってる。何か理由があるなら、知りてぇよ…」
蒼大先輩は、源先輩のように銀のイヤーカフにそっと触れた。
これは、今や2人を唯一繋ぐモノだ。
「静月、ありがとな。少しだけど……源に近づけた気がする」
「蒼大先輩……力になれたなら、良かったです」
「静月のおかげだ、それに……傍にいてくれたろ?それに、救われたよ……ありがとな」
そう言ってまた、頭をポンポンと撫でられる。
驚きにまた体が固まったけど、蒼大先輩は気づいてないのか、優しげな笑みを浮かべて、私の頭を撫で続けた。