記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「……蒼大先輩。源先輩は、蒼大先輩の為に、一人でいる事を……選んだんだと思います」


「俺の……為?」


「源先輩は、俺といればきっと、不幸になるって言ってたんです」


「不幸になるって、どういう意味だ?」



『俺は……ーーーらしいから……』


そう、肝心な所でノイズが入ってしまって、後の言葉が分からなかった。



「ごめんなさい、その後はノイズがうるさくて、聞こえませんでした。たぶん、源先輩にとって、一番辛い何かがあったからだと……思います」


源先輩の複雑な感情が絡み合ったが為のノイズ。



「源……俺は、源といれない方が、二度と話せなくなる事の方が、不幸だ……っ」


「蒼大…先輩………」


蒼大先輩は、目に涙を浮かべていた。


ーズキンッ


蒼大先輩が……泣いてる、肩を震わせてるのを見ると、あの日、記憶の中で泣いていた蒼大先輩の姿と重なって、胸が締め付けられた。