「……すぅ……はぁ……」
自分から記憶を見ようとするのは、初めてだな。
いつもは、勝手に記憶が、感情が流れ込んでくるから、なんだか緊張する。
ー源先輩。
あなたの、このイヤーカフに込められた記憶、見させて下さいね。
そして、パッと目を開けると、景色はすでにセピア色に染まっている。
ー来た、記憶の中に、私はいる。
屋上ではない、どこかのショッピングモールのような場所にいた。
『蒼大、早く!!』
私の後ろから声が聞こえて、すぐにバッと一人の男の子が私の横をすり抜けた。
『なぁ、カラオケで良いか??』
そして、すり抜けた男の子が振り返った瞬間、私は目を疑った。
そこには、黒髪の源先輩がいたからだ
源先輩、金髪じゃない……なんか、不思議な感じだ。


