「………俺は、親友っていいながら、源を助ける事が出来なかった」
「……最上先輩……」
ーズキンッ
辛そうな顔をする最上先輩に、私はキュッと胸が痛む。
これは……『後悔』の感情だ。
「源の自殺した理由とか、俺に何も話してくれなかった事とか、聞きたい事はたくさんあんのにさ、聞く相手がいない……」
死人は、言葉を語らない。
源先輩を語る人も、誰一人としていない。
源先輩の生きた証が……無さすぎた。
「君の力が、頼りなんだ。どうか、俺と一緒に探してほしい。もう遅いかもしれないけど……源の事、ちゃんと知りたいんだ」
「私は……最上先輩の役に、立てますか?」
「君しかいない……俺の、最後の希望だよ」
「私が……希望?」
誰かの疫病神になる事はあったけど、まさか希望になる日がくるなんて……。
信じられない気持ちで最上先輩を見つめると、最上先輩は「フッ」と小さく笑みを溢した。


