「やっと、会えた……」
「どうして……」
目の前にいるのは、サラサラの黒髪に、銀のイヤーカフをつけた、紛れもない、最上先輩だった。
どうして……「やっと会えた」なんて、まるで私に会いに来たみたいな言い方……。
「ずっと、君の言葉が頭から離れなかった」
「私の……言葉……?」
呆然と立ち尽くす私に、最上先輩はゆっくりと歩み寄ってくる。
「俺が泣いてた事……誰も知るはずないのに、君は知ってた。それに、俺が疑った時、君は真っ先に俺を傷つけたって、謝ったろ?」
「それは……本当に、最上先輩を傷つけたと思ったから…」
「君は、本当の事を言ってたのに……泣かせてごめんな?でもまさか、そんな超能力みてーなのが、本当にあるなんて思えなくてさ……本当に、悪かった」
ついに、私の目の前に立った最上先輩を、私は見上げた。
最上先輩、すごく身長高いんだな……。
見上げると、最上先輩の優しげな瞳と視線が交わる。


