『ありがとう』
風に溶けるように、源先輩の声が聞こえた気がした。
それに、私は泣きながら微笑む。
「ありがとう、ございます」
私も、そう伝えた。
だって、救われたのは私だったんだ。
この力を嫌っていた私に、この力も私の一部で、私にも誰かを救ったりできるんだって、教えてくれた。
誰を信じてみよう、言葉にしてみよう、源先輩に、蒼大先輩に出会う前の私なら、きっと今の自分はいない。
だからね、だから……「ありがとう、源先輩」。
あなたの分まで、きっと悔いなく生きる。
1日1日を、全力で生きるって、あの青空に誓うよ。
だから、たどり着いた楽園から、私たちを見守っていて…。