記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「あの、俺は最上 蒼大です、静月には、お世話になってて……その、一緒に上がってもいいですか?」


「もちろんです、一緒に上がって下さい」


蒼大先輩に笑みを浮かべる美月は、私と蒼大先輩を家の中へと上げてくれる。


すると、入った途端にズキンッと胸に重い鉛を乗せられているような苦しさに襲われる。


「っ………」

「静月、大丈夫か??」


崩れ落ちそうになった私を、蒼大先輩が抱き留めてくれた。


私はゆっくりと深呼吸をして、頷く。


だけど、額から汗が垂れてきて、私はこの異様な空気に気持ち悪くなった。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


美月が、私の手を握ってくれる。


美月の手が温かく感じるのは、私の手が夏なのにも関わらず、冷えきっているせいだ。



「う、うん……お母さんは?」

「お母さんなら、リビングに……」


そう、言いかけた美月の後ろから、「美月、帰ったら声くらい……」そう言って女の人が現れる。


「あっ……」


お母さん……お母さんだ。

高塚 小夜(たかつか さよ)、私のお母さんはたぶん今は40代くらいになっていると思う。


「あなた……は……」


お母さんは、そう言いかけて、視線を私へと向ける。

そして、目をみるみると見開いた。