「静月、どうする、静月はどうしたい?」
迷っている私に、蒼大先輩が尋ねてくる。
逃げる事は出来る、だけど……今逃げたら、きっともう、二度とお母さんにもお父さんにも会えないだろう。
「会います……私」
「お姉ちゃん!!」
「ごめんね、美月。それでも、私……ちゃんと、前に進みたいんだ」
止めようとする美月に、ハッキリ自分の気持ちを伝える。
すると、辛そうに眉を寄せて、それでも納得してくれたのか、最後は頷いてくれた。
「でも、覚悟した方がいいよ……きっと、酷いこと、言うと思うから」
「ありがとう、美月」
心配してくれた事が、すごく嬉しい。
それだけで、今日来たことに意味があるよ。


