あぁ、これか家族の温もりなんだ……。
今までだって、おばあちゃんがいてくれたから、寂しくは無かったけど、やっぱり家族にしか埋められないモノがあるんだと、気づく。
「静月お姉ちゃんの目が、特別で良かった。でなきゃ、きっとお姉ちゃんの事見つけられなかったもん」
「っ……あぁ」
何でか、ずっと家族にそう言ってほしかった。
私の目が、この力を誰かに受け入れてほしくて、本当は誰よりも温もりを求めてた。
ジワリと涙が滲んで、視界がぼやけてしまう。
「良かったな、静月」
「はい……」
蒼大先輩の言葉に、もうそれしか答えられなかった。
会いに来て良かったと、素直に心から思った。
「お姉ちゃん、本当に会えて嬉しかった。だけど、お母さん達には会っちゃだめ」
「それは、お母さんが私を……っ、恨んでるから?」
すると、美月は言いにくそうに、俯く。
でもそれで分かってしまう、それが事実なんだって。


