「源先輩は……お父さんが無くなった事、彼女を自分のイジメに巻き込んだ事、イジメを受ける弱い自分を……」
私は、ただ見て、感じた事を言葉にする。
「守ることが出来なかったお母さん、裏切ってしまった親友……たくさんたくさん後悔して、それを自分の弱さだって責めた」
「源っ……私が守らなきゃいけなかったのよ!!」
「裏切られたなんて思ってない、俺が気づいてやれなかったんだ!!」
お母さんと蒼大先輩は、嘆いた。
そして私も、あの時、何にも関心を示さなかった自分、この力を持っていたのに、救うことが出来なかった自分に嘆いた。
「傷つけて、悲しませてばかりの自分とは違う誰かに生まれ変わりたくて、髪を金色に染めて……」
私は、源先輩のお母さんに向き直った。
すると、お母さんは泣きながら私を見つめる。
あの日、横断歩道ですれ違った時に感じた、何も映していない、あるのは絶望たけの瞳だった。


