記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「あ………」


視界がクリアになり、目の前には先程悲しく閉まった扉の前に私はいた。


「終わったか、静月」


蒼大先輩の声に振り返ると、そこには蒼大先輩と、不思議そうな顔をして隣に立つ源先輩のお母さんがいた。


私は、もう一度扉に視線を戻して、「あの日、お母さんにもう自由だって言った日に……」と話し出すと、お母さんが驚きに息を呑んだのが分かった。


「その日に、源先輩は自殺を……?」


「どうして、あなたがそれを知ってるの……?」


動揺しているお母さんに、私はもう一度尋ねる。


「その日に自殺を?」


「……えぇ、あの日、源の様子がおかしかったのは気づいてたのに、私は引き留めなかった。そのせいで、源は……っ」


やっぱり……。

なら、あの日に私が屋上で会った、源先輩は、もう死ぬ事を決めてた。


止められたかもしれないのに、私……。

だって、そんなの感じさせないくらいに晴れやかな笑顔だった。


自由だと言った源先輩の方が、解放されるような、そんな晴れやかさがあった。