記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



ーシューッ!!


『俺は……もう、茂木 源じゃない』


私は、そう言って鏡の前に立ち、ヘアカラースプレーで髪を金髪に染めている源先輩に近づく。


『俺は……親父を殺して、お袋を守れなくて、秋乃を巻き込んで、源を裏切って、舵にイジメられる……弱い俺じゃない』


まるで、自分の罪から逃げるように、髪を金髪に染めていく姿は、痛々しかった。



『俺は……もう、俺じゃない。俺は、生まれ変わって……あの楽園に行くんだ』


違う自分になりたいと願っていたのかな。


楽園……それは、あの青空の向こうにあるであろう、痛みも悲しみも、苦しみも無い世界なのだと思う。


一緒に見上げた、あの場所……死をもってたどり着ける楽園。


『俺は……あの楽園に行く』


それは、源先輩が死を決意した事を物語ってる。

私は、源先輩の前に座り込んだ。



先輩、どうして独りで抱えてしまったの。

源先輩には、蒼大先輩がいたのに、どうして……。


傷つけたくないからって、遠ざけられる者の痛みが、どれだけのものか、知ってますか?


勝手に決めて、置いてかれる者の絶望が、どれだけ深くて大きいのか、分かりますか!?