『俺が……いなくなれば良かったのか…ハハハッ!!』
笑いながら、ガチャリと家を出ていくお父さんを見送り、源先輩。
『源……お父さんを追いかけて』
『何でだよ……親父は、お袋を苦しめるだけじゃん!!』
『それでも……私たちは、家族だわ。辛いとき、傍に寄り添わなきゃ……』
お母さんは、悲しげに源先輩の頬を撫でる。
『源……お父さんも、辛いのよ』
『なんだよ……それ、なら俺はっ……俺の気持ちは!?もう、わけわからないんだよ!!』
そう言って、叫びながら家を飛び出す源先輩を、『ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、源……っ』と、お母さんは泣きながら見つめていた。
そして、場面がバッと変わる。
そこは、一面白に覆われた空間に、冷たくて寒い空気の、霊安室たった。
『あぁ……どうして、どうして!!』
源先輩のお母さんは、部屋の中央に横たわる亡骸に寄り添って泣き崩れた。
おそらく、あれは源先輩……。
そして、この胸を抉るような痛みは、お母さんの感じていた痛み。


