記憶の中で生きる君へ、この空に誓う




「源先輩は、自分のイジメの矛先が秋乃先輩や蒼大先輩に向いてしまうのが怖かったから、遠ざけるような事を言ったんです」


「じゃあ、親友を解消しようって言うのは……俺の為…」


蒼大先輩は、辛そうに胸を押さえた。


「私に別れようって言ったのも……」


「秋乃先輩には矛先が、向いていたから、きっと今の秋乃先輩と同じように、自分を責めていたんだと、思います」


「私は……源に別れようって言われた時、ホッとしてしまった。どこかで、この苦しみから解放されるって……」


そっか、源先輩から、秋乃先輩に別れを告げてたんだ。


「私は、あの時引き留めて、傍にいるべきだった!!源が苦しんでたのを、知っていたのに!!ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、源!!」


そうだ、これが……秋乃先輩が、記憶の中で何度も『ごめんなさい』と嘆いていた理由。


「秋乃事が……本当に好きだったんだよ、アイツは」


「蒼大……」


「好きな女を守りたいって思ったんだな。優しい、源らしい……っ」


そういう蒼大先輩も、涙を流していた。

私はそんな蒼大先輩の傍に寄り添う。